記事一覧へ

フリーランスの修正が終わらない時の止め方|何回までを決める前にやること

修正が終わらない時の止め方を、フリーランス向けにまとめました。今届いている修正の分け方、追加料金の伝え方の例文、次の案件から修正回数と範囲を着手前に決める方法、途中で見せて手戻りを減らす進め方まで。営業講座「KENTAの営業部屋」の個別相談で扱った考え方に、編集用の例文を加えて整理しました。

「もう少しここを」「あと1点だけ」「なんか違う」。修正の連絡が来るたびに、時給がどんどん下がっていく。いわゆる「修正地獄」「無限修正」の状態になっていませんか。

先に答えです。今まさに修正が終わらないなら、まず届いている依頼を、①自分のミスや約束の見落としを直すもの ②約束した範囲の中の修正 ③新しい要望の3つに分けます。③は、作業の内容・費用・納期を伝えて、合意してから進めます。次の案件からは、着手の前に「修正は◯回まで」「どこまでが修正か」「何が範囲外か」を合意し、完成を待たずに途中で方向を確かめることで、修正そのものを減らします。

進め方は次の6つです。

  1. 今届いている修正を、ミスの直し・範囲内・新しい要望に分ける
  2. 新しい要望は、費用と納期を伝え、了承をもらってから作業する
  3. 進行中の案件は、ここからの条件を提案し、合意を取る
  4. 次の案件では、着手の前に修正の回数・修正の定義・範囲外の作業を伝える
  5. 修正は「まとめて出してもらう」形にする
  6. 完成を待たず、構成や文言の段階で方向を確かめる

このページでは、営業講座「KENTAの営業部屋」の個別相談で受講生と扱ってきた考え方に、そのまま使える例文を加えてまとめます。

今届いている修正を3つに分ける

修正が終わらない時に、最初にやるのは「断る」ことではありません。届いている依頼が何なのかを分けることです。

依頼の中身

例

対応

自分のミス・約束の見落とし

誤字、合意した仕様と違う所

回数に関係なく直す。追加料金にしない

約束した範囲の中の修正

合意した回数の中での色や文言の調整

最初の条件のまま対応する

新しい要望

構成の変更、新しいページ、範囲外の作業

作業の内容・費用・納期を伝え、合意してから対応する

どれか分からない

最初の約束があいまい

見積もりやメールを見直し、相手と確かめる

自分のミスを直すことまで「4回目なので有料です」とするのは筋が通りません。逆に、新しい要望を修正の枠で受け続けると、終わりがなくなります。まず分ける。分けたら、新しい要望の分だけ条件を相談する。これが止め方の出発点です。

追加料金の伝え方

追加料金は言いにくいものです。だからこそ、決まった順番で伝えます。

順番は、修正点をまとめて共有してもらう → 費用と納期を案内する → 了承をもらってから作業するです。了承の前に作業を始めないことが大事です。

例文:約束した回数を超えた修正が来た時

ご連絡ありがとうございます!もちろん対応します。最初にお伝えした修正3回を超える分になりますので、ここからは追加の費用でのご対応になります。修正点をまとめてご共有いただけましたら、費用と納期をご案内しますね。こちらのミスで直す箇所があれば、それは別にして対応します。

例文:範囲外の作業を頼まれた時

原稿の作成は今回の制作の範囲外となっております。こちらで作成する場合は、内容を伺ってお見積りをお出しします。原稿をご用意いただける場合は、このまま進められます。

(例文は書き方の型で、実際のやり取りの記録ではありません)

線を引くと関係が壊れるのでは、と心配になるかもしれません。2026年8月の講座の個別相談では、受講生が「修正は3回まで、それ以降は追加の費用、原稿作成は範囲外」という文面を自分で作って送った案件で、相手から修正はせず一旦納品を進めてほしいという趣旨の返事があった、という記録があります。別の受講生は、軽い修正は範囲内、構成から大きく変えるものは範囲外として回答し、そのまま制作を続けています。どちらも個別のケースで、同じ文面で同じ結果になるとは限りません。ただ、線を引くことと、仕事を続けることは両立し得ます。

進行中の案件は、ここからの条件を「提案」する

ルールを決めずに始めてしまった案件でも、ここから整えることはできます。ただし、途中からのルールは、こちらが一方的に決めるものではなく、提案して合意するものです。

  1. 最初の約束と、残っている作業を書き出す(自分の時給がどこまで下がっているかも確かめる。時給の出し方は「フリーランスの単価交渉はいつ切り出す?値上げの伝え方」で紹介しています)
  2. ここからの条件を提案する(残りの作業・費用・納期)
  3. 相手に選んでもらう(今の内容で納品する/追加の費用で修正を続ける)

例文:ここからの進め方を相談する

ここまで丁寧にご指摘いただき、ありがとうございます。一度、今後の進め方を確認させてください。当初のご依頼は[範囲]、残っている対応は[内容]と認識しています。今回追加でご希望の[内容]については、[費用]・[納期]での対応をご相談できますでしょうか。私の認識と違う点があれば、あわせて教えてください。

それでも話がかみ合わない時は、次の依頼を受けない判断もあります。進行中の契約は、残る作業と、納品・支払いの条件を確かめて、終え方を相談します。見積もりや修正の指示はメールなどで残しておき、認識が合わない時は公的な相談窓口や専門家に相談してください。

次の案件から:「何回まで」は着手の前に決める

修正は必ず来ます。だから、来る前に決めておきます。

修正の回数を決めずに作業を始めると、際限なく修正を受ける状態になり、細かい調整まで求められるようになります。一度その関係になってから線を引こうとすると、相手との摩擦が大きくなります。これは「断る力」の問題として根性で解決するものではなく、着手の前のルールで解決します。

講座の個別相談では、「修正は3回まで」と着手の前に合意する形を一つの設定例として扱っています。3回は業界の決まりではありません。工程や仕事の内容に合わせて決め、決めて合意しておくことが大事です。

範囲を決めることは、相手を不快にさせることではありません。カフェでコーヒーをずっと無料でおかわりできると思う人はいませんよね。それに、発注する側も、修正が何回までかが分からないと社内で説明できません。範囲を決めることは、相手にとっても助かることです。

伝える項目は4つ

着手の前に伝えるのは、次の4つです。

  1. 修正の回数(例:修正は3回まで)
  2. 修正の出し方(例:修正点は1回ごとにまとめてご共有ください)
  3. どこまでが修正か(例:文字や画像の差し替えは修正、構成の変更は作り直し)
  4. 制作に含まれない作業(例:原稿の作成・ライティングは範囲外)

回数だけ決めて「まとめて出してください」を言い忘れると、小出しの連絡が続いて、回数の線が意味を持たなくなります。回数と出し方は2つで1セットです。まとめて出してもらうことは、相手の担当者にとっても、社内の確認が一度で済むので助かります。

例文:着手の前に送る

進め方について先にお伝えさせてください。今回のお見積りには、修正を3回まで含めています。1回は、修正点をまとめてご共有いただき、修正版をお返しするまでとします。構成の変更や原稿の作成は今回の範囲外となりますので、必要な場合は内容・費用・納期を事前にご案内します。この条件で進めてよろしいでしょうか。

チャットなら、箇条書きで十分です。

進め方だけ先に共有です!

・修正は3回まで(まとめて送ってもらえると助かります)

・構成の変更・原稿作成は範囲外です

軽い修正はどうする? 重い修正はどうする?

ルールを決めたら、何でも突っぱねればいいわけではありません。テキストを少し差し替える程度の、1分で終わるような修正まで断ると、相手の役に立つ機会を自分で捨てることにもなります。講座では、「3回まで」と、ごく軽い修正は常識の範囲でサービスすることを、セットで扱っています。サービスするかどうかは、受付や確認の手間も含めて自分で決めてかまいません。

重い修正(画像の差し替え、レイアウトの変更など)は、1か所あたりの値段を先に決めておく方法があります。「別途お見積り」にすると、依頼が来るたびに手が止まります。1か所いくらと決めておけば、その場で答えられますし、相手も「どこまで直すか」を自分で選べます。

構成から変える、方向を変えるといった作り直しは、修正ではなく新しい制作として見積もります。

修正を減らすには、途中で方向を確かめる

完成させてから見せると、方向がずれていた時の手戻りが一番大きくなります。しかも、作り込んだところほど直しにくくなります。

僕は講座で受講生の成果物を見る時、完成を待たず、できた分から途中で出してくださいと伝えています。LPならファーストビューだけの状態で、デザインに入る前なら原稿や構成の段階で。そうすると、構成の作り直しという一番大きな手戻りを、作る前に潰せます。2026年8月の面談でも、名刺を作り直す受講生には、デザインの完成を待たず文言ができた時点で送ってもらいました。刷ってから直すのは、お金も時間も戻らないからです。

この考え方は、クライアントの仕事にも応用できます。ただし、相手は途中のものの見方に慣れていないこともあるので、何をどの段階で確かめてもらうかを、先に相談しておきます。

  • 構成や文言だけを先に送り、「この方向で進めてよいか」を確かめる
  • デザインは一部(ファーストビューなど)で方向を合わせてから広げる
  • 動画なら、全体を編集する前に、構成メモや冒頭部分で確かめる

途中のものを送る時は、「今回は構成の確認です。色や細かいデザインは次で確認します」のように、何を判断してほしいかを添えます。確認する人と、返事の期限も決めておくと、小出しの指示が増えるのを防げます。

よくあるつまずき

  • 自分のミスの直しまで、回数を超えたからと追加料金にしようとする
  • 修正の回数だけ決めて、修正の定義や範囲外の作業を決め忘れる
  • 回数だけ決めて「まとめて出してください」を言い忘れる
  • 作り直しのレベルまで、修正の枠で受けてしまう
  • 途中からのルールを、相談せずに一方的に当てはめる
  • 途中のものを、何を見てほしいか言わずに送る

よくある質問

Q. 修正は何回までが普通ですか?

業界で決まった回数はありません。この記事の「3回」は、講座の個別相談で扱った設定例です。大事なのは、回数そのものより、着手の前に合意しておくことと、1回の数え方・どこまでが修正かを決めておくことです。

Q. ディレクター経由で、修正の回数を直接言えない時は?

着手の前にディレクターに「修正は何回まで想定ですか」と聞いておきます。回数を超えそうな時も、まずディレクターに相談します。クラウドソーシングの案件なら、募集文に修正回数が書いていない時は、応募の前に質問しておきます。

Q. 無料で作っている仕事でも、修正の線を引いていいですか?

引いてかまいません。無料で信用を取りにいく時期でも、自分の時間を守る線は必要です。線が引けて初めて、作る本数を積めます。

Q. 納品後の修正はどこまで受けるべきですか?

納品の前に、どこまでを納品とするか(ファイルを渡すまでか、公開までか)を決めておきます。納品物の不備を直すことと、新しく出てきた更新の依頼は分けて考えます。更新が毎月続くなら、月額のプランとして提案する方法もあります。

Q. 修正にお金がかかるなら、AIや社内でやると言われたら?

1か所いくらだけを前に出すと、AIや内製と値段で比べられやすくなります。修正が毎月続く相手には、月額のプランで「頼めば動いてくれる状態」を出すほうが、相手にとっても分かりやすくなります。

Q. 契約書に修正回数を書いたほうがいいですか?

書面やメールに残しておくと、あとで確かめられます。フリーランス法には、一定の取引で、受注する側に責任がないのに費用を払わずに内容の変更ややり直しをさせることを禁じる決まりがあります。ただし、修正の回数だけで違法かどうかや、追加料金が決まるわけではありません。対象になるかどうかは、公正取引委員会の「フリーランス法」特設サイトで確認してください。

まとめ

  • 今届いている修正は、ミスの直し・範囲内・新しい要望に分ける
  • 新しい要望は、費用と納期を伝え、了承をもらってから作業する
  • 進行中の案件の条件変更は、提案して合意する
  • 次の案件では、着手の前に回数・修正の定義・範囲外の作業を伝え、まとめて出してもらう
  • 途中の段階で、何を見てほしいかを添えて方向を確かめる

コメント

No comments yet