フリーランスの継続案件の取り方|6年続くお客さんとの仕事で大切にしている2つの質問
すでにクライアントがいるフリーランス向けに、継続案件につなげる方法を解説。最初にゴールを聞き、納品後に「その後どうですか」と確かめ、次の仕事を提案する。6年続くお客さんとの実話と、フォローメール・継続提案の例文、月額プランを考える時のポイントをまとめました。
単発の案件ばかりで、毎月ゼロから仕事を探していませんか。
先に答えです。すでにクライアントがいるフリーランスが継続案件を増やすために、僕が勧めたいのは次の3つです。相手の予算や体制の都合で終わる仕事もありますが、自分で変えられるのは、納品の前後です。
- 仕事の最初に「どういう状態になったらゴールですか?」と聞き、その数字を一緒に見続ける
- 納品後、相手が使って反応が分かるころに「その後どうですか?」と聞き、返事をもとに次の手を考える
- 次の仕事が必要なら、単発の追加依頼か、毎月の需要に合う月額プランを提案する
6年続くお客さんとの仕事で、続けてきたこと
僕には、6年続いている動画のお客さんがいます。生活に困っている人を支援している団体です。
この仕事では、動画編集だけでなく、企画を一緒に考え、現場に密着してドキュメンタリーを作り、ホームページからLINEへの導線も手伝ってきました。そして、相談件数という数字を毎回一緒に見て、次に何をするかを一緒に考えてきました。その間に、団体の相談件数は月25件から、2026年10月時点で月200〜300件まで増えています。
これは僕ひとりの力ではなく、団体の皆さんが現場で積み上げてきたものの隣で、一緒に走らせてもらっている結果です。契約が続く理由を僕が言い切ることはできませんが、相手のゴールと、その後の結果を見ることは、ずっと続けてきました。
なぜ僕は、納品した後の結果まで聞くのか
作って渡すだけの仕事は、ほかの人やAIと比べられやすくなります。腕が悪いからではなく、渡しているのが「作業」だけだからです。
僕は、制作物を渡すだけでなく、その先の結果まで一緒に見ることが、次の相談のきっかけになると考えています。そのために大切にしているのが、次の2つの質問です。
1つ目:仕事の最初に「どういう状態になったらゴールですか?」
「どういう状態になったらゴールですか?」
6年続く団体の場合、代表の答えは「日本一になりたい」でした。何の日本一かといえば、相談件数です。だから僕も、動画を作るたびに、その数字を一緒に見てきました。
動画の出来だけでなく、その先の数字を見ている。ここが、作業を頼まれる人と、相談される人の分かれ目だと思っています。
制作・動画・文章の仕事でも、まずゴールを聞くところから始められます。たとえば資料づくりを頼まれた時、作業だけを受けると話は「何枚で、いつまでに」で終わります。ゴールを聞いて「読んだ人に問い合わせてほしい」と分かれば、情報の順番も、問い合わせ先の見せ方も変わります。
2つ目:納品後に「その後どうですか?」
「その後どうですか?」「使ってみて、どうでした?」
大事なのは、結果を必ず出せという話ではないことです。結果は、お客さんの商品やタイミングにも左右されます。でも、確かめることは、誰でも今日からできます。聞いてみないと、相手が次に何に困っているかも分かりません。そこから、次に手伝えることが見えてきます。
いつ聞く? 相手が使って、反応が分かるころ
資料なら配布したあと、動画や記事なら公開したあとなど、相手が使って反応を確かめられる時期に聞きます。納品の時に「公開の予定はいつですか。反応が分かるころに一度、ご様子を伺ってもよいですか」と確認しておくと、連絡の時期を決めやすくなります。
仕事 | 聞く時期の目安 | 聞くこと |
|---|---|---|
Web制作 | 公開して、問い合わせなどが動き始めたころ | 「その後、問い合わせや反応はどうですか?」 |
動画 | 公開して、再生や反応が出てきたころ | 「公開後、反応どうでした? 次にやりたいことはありますか?」 |
文章 | 公開して、読まれ方が分かってきたころ | 「公開後、読まれ方や反応はどうでした?」 |
秘書・事務 | 頼まれた件が片づいたころ | 「あの件、その後どうですか?」 |
納品後のフォローメール例文
件名:[制作物名]公開後のご様子について
[お名前]様
先日は[制作物名]をご依頼いただき、ありがとうございました。
制作前に伺った[目指していた状態]について、公開後の反応はいかがでしょうか。
分かる範囲で、反応や、使ってみて困った点があれば教えていただけますと幸いです。まだ公開前でしたら、ご予定に合わせて改めて伺えればと思います。
返事が来たら、結果と困りごとを整理して次の案を考えます。まだ判断できる材料がなければ、次に確かめる時期を相談します。返事がないだけで不満と決めつけず、提案を続けて送ることは避けましょう。
3つ目:次も手伝える形を提案する
「その後」を聞いて次の困りごとが見えたら、何を、どれくらい、いくらで、いつまでに手伝えるかを提案します。
今のお客さんへの継続提案文
[お名前]様
[確認できた反応・困りごと]について教えていただき、ありがとうございます。
次は[具体的な作業]で、[目指す状態]に向けた対応をご提案できます。
[作業範囲・数量]で[料金(税込/税別)]、[納期]を想定しています。今回のお見積もりに含まれないのは[対象外の作業]です。
同じ作業が毎月必要でしたら、月額の形もご相談できます。まずは今回分を単発で進めるか、継続の形を検討するか、ご希望を伺えますでしょうか。
「困りごと」には、相手が実際に答えた内容を入れてください。金額や納期がまだ分からなければ、条件を確かめてから見積もります。
毎月の需要があるなら「月◯点まで」の月額プラン
「その後どうですか?」の返事から、毎月同じ作業(バナー、修正、配信用の画像など)が必要だと分かったら、1点あたりの金額が決まっている小さな作業を「月◯点まで」にまとめた月額プランも選択肢です。単価を上げる商品というより、毎月の収入の見通しを作るためのものです。
「月◯点まで」にする前に、1点の範囲・上限・納期・採算を確かめます。具体的な料金表と提案文は「単発の仕事を月額の継続契約に変える提案の仕方」で紹介しています。
「教えてほしい」という相談も、有料サポートの候補
ツールの使い方をスタッフに教えてほしい、という相談でも、その場の口頭見積もりで終わらせず、料金表を作って「ここからここまでやるので月◯万円」とプランで出すように伝えています。料金表には、教える範囲、打ち合わせや質問対応の量、含まれない作業を書きます。
参考までに、講座の個別相談で、会社のスタッフにツールの使い方を継続して教えてほしいという相談を受けた受講生に、顧問・サポート契約として月5万〜10万円を目安として伝えたことがあります。これはその相談での目安で、相場ではありません。支援の範囲や頻度、相手の規模で変わるので、自分の工数から確かめてください。
今のお客さんに、手伝える内容を自分から伝える
継続しているお客さんに次も必要な仕事があり、自分にも余裕があるなら、待たずに伝えてみてください。講座の受講生を見ていても、継続のお客さんがいるのに、自分から増やしてほしいと伝えていない人は少なくありません。
「もっとやります」だけでなく、「[時期]から[作業]を[量]まで対応できます」と具体的に伝えます。追加分も、料金と工数が見合う範囲で提案しましょう。
よくある質問
Q. 案件が続かない時、何を確かめればいいですか?
まず、次も必要な仕事なのかを確かめます。需要があっても予算や時期が合わない場合と、納品物への不満や認識のずれがある場合では、次にやることが変わります。結果や困りごとをまだ聞けていないなら、「その後どうですか?」から始めてください。一度きりで目的を果たす仕事なら、無理に月額にする必要はありません。
Q. 納品後のフォローは、いつ連絡すればいいですか?
相手が使って、反応を確かめられる時期です。納品の時に公開や使用の予定を聞いて、連絡する時期を相談しておくと迷いません。
Q. 継続の提案をすると、しつこいと思われませんか?
相手が話した困りごとに沿って提案し、必要かどうかを相手が選べる形にします。「今は大丈夫です」と言われたら勧め続けず、「必要になったら、いつでもご相談ください」と返して、時期をおいてまた「その後」を聞きます。
Q. 継続案件と月額契約は違いますか?
継続案件は、同じお客さんとの仕事が続くことを指す広い言い方で、単発の再依頼も、長く続く業務委託も、毎月の契約も含みます。月額契約は、月ごとの料金と対応範囲を決めて依頼を受ける形です。仕事の頻度や量に合わせて選びます。
Q. 継続していたクライアントに、急に切られたらどうすればいいですか?
予算や体制の変更など、相手の事情で終わる仕事は防げません。だからこそ、1社に頼りすぎず、ほかの受注の候補も並べておくことが大切です。
続いていた取引を終える時のルールは、フリーランス法にも定められています。自分の場合に当てはまるかは、公正取引委員会・厚生労働省の案内で確かめてください。
明日からできること
- 直近のお客さんを1人選び、最初に聞いたゴールと、制作物を使う時期を確かめる
- 反応が分かる時期なら、本文のフォローメールを自分の仕事に合わせて書き換えて送る
- 返事をもとに、次の作業・範囲・料金・納期を考える。毎月の需要があるなら、月額プランも検討する
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